| 2006年度助成案件の要旨 |
| 本内容は2006年度アカデミアショウケースで研究助成を行った研究内容で、助成1年半後に提出して頂きました成果報告書の要旨です。 本要旨をご覧になり共同研究等を行いたい企業の方は下記アドレスまでご連絡ください。 先生方のメールアドレス、電話番号等をご連絡致します。また報告書の全文も送付致します。 |
| メールアドレス:jcii1@jcii.or.jp アカデミアショウケース事務局 |
| 番号 | 2006-1 |
| 題目 | 形状記憶圧電アクチュエータの応用に関する研究 |
| 概要 | 圧電材料は、電界によって伸縮する機能性材料であり、RF-MEMSスイッチやインクジェットプリンタヘッド、ジャイロセンサに応用されている。通常、入力電圧をゼロにすると、形状はもとにもどってしまうため、ある圧電変位を保持し続けるためには電圧を加え続ける必要があった。これに対して、本研究で提案する駆動原理は、圧電アクチュエータの分極反転現象を利用し、圧電歪みにメモリ効果を付与するというもので、“形状記憶圧電アクチュエータ”と名付けた。 この駆動方法では入力電圧をゼロとしても、分極方向に従って2つの安定した圧電歪みを保持し続ける為、パルス電圧駆動が可能になる。この結果、低駆動電圧化と低消費電力化が実現でき、特にモバイル機器やマイクロマシンへの応用が期待される。 はじめに提案した電界インプリント制御に伴う形状記憶は連続駆動に伴って形状記憶量が徐々に減少してきてしまうという問題点が明らかになった。そこで、新しく提案した非対称パルス駆動による形状記憶駆動原理により少なくとも104回の連続駆動によっては全く疲労がみられない結果を得るにいたった。また、上記の形状記憶だけにとどまらず、誘電率などの電気特性や屈折率、透過率などの光学特性に関しても、同じ原理でメモリ効果を持たせることが可能であることを実証し、新規誘電率メモリやメモリ機能付き光スイッチなどへの応用の可能性を示すことに成功した。 |
| 番号 | 2006-2 |
| 題目 | 三次元ナノ粒子組織体を用いたVOCs検出用簡易光学センサーの開発 |
| 概要 | 揮発性有機化合物(Volatile Organic Compounds: VOCs)に数えられるベンゼン、トルエン、キシレン(BTX)をオンサイトにて検出・定量が可能な技術を開発するため、三次元かつ周期的にナノ粒子が集積した際に観察されるコロイド結晶の光学特性と、非極性有機溶媒に対して膨潤挙動を示すPolydimethylsilixane(PDMS)用いたセンサーの開発を行った。 作製したセンサーは非極性有機溶媒に対してのみ顕著な膨潤挙動を示すことから、BTXに対して顕著なコロイド結晶による光学特性変化を観察することが可能であり、その光学特性変化は色彩の変化として目視で観察することが可能であった。なお、本センサーは溶液、ガスのどちらに対しても検出可能であることが観察され、センサーの作製法を変えることでpH試験紙のように柔軟性を有し、BTXを検出可能なセンサーを作製することができた。 |
| 番号 | 2006-3 |
| 題目 | シクロデキストリンを基盤とする標的指向性薬物担体の分子デザインとレセプター認識能の評価 |
| 概要 | シクロデキストリンを基盤として7分岐の葉酸を導入することにより、がん細胞に対する標的指向性を有する薬物担体を分子デザインできた。SPR評価法により、大腸がん細胞Caco-2および葉酸レセプタータンパクとの会合が抗原抗体反応レベル(Ka=109M-1)であった。薬物(ドキソルビシン)との包接会合も十分に大きな値(Ka=109 M-1)であった。これまでの糖鎖修飾シクロデキストリンと同様に、レセプターに対し“Glyco-cluster Effect”、薬物に対し”Sea Anemone Effect” を発揮しているのでこうした高い認識能を示すものと考えている。熊本大学院医薬の協力により、口腔がん細胞KBを用いてin vitro細胞実験を行い、細部内取り込みを確認した。試料の大量合成と、外部の研究機関と協力しin vivo動物実験により評価し、がんの治療と診断に広範な応用を計る。 |
| 番号 | 2006-4 |
| 題目 | 近赤外光の有効利用に向けた高輝度・高機能蛍光材料の開発と応用 |
| 概要 | 近赤外光から可視光への変換を可能にするアップコンバージョン(UC)発光材料は、光通信デバイス、可視光レーザ、近赤外センサー、生体組織蛍光ラベル剤、三次元表示材料などへの応用が期待されている。一般に希土類をドープした金属ハロゲン化物母体が高輝度とされているが、湿度で不安定なため実用に適さない。 本研究では実用上十分な安定性をもつ希土類ドープ金属酸化物を中心に高輝度・高機能な材料の探索と発光機構の検討を行った。その結果、励起パルス幅により発光色を緑〜黄に連続的に制御できるアルカリニオブ酸蛍光体を発見し発光機構が解明された。また、希土類タングステン酸をベースとする高輝度な青色発光材料を開発し発光特性の構造依存性を解明した。さらには蛍光体調製の基礎技術として、多核クラスター前駆体を用いた酸化イットリウム母体内での希土類イオンの分散制御法により、既存蛍光体の輝度改善に成功し、現在その機構解明を行っている。 |
| 番号 | 2006-5 |
| 題目 | 固相担持型パラジウム触媒およびパラジウム固定化マイクロリアクターの開発とOne-Potインドール合成への応用 |
| 概要 | パラジウム固定化マイクロリアクター開発を想定し、有機ポリマー(ポリスチレンレジン、JandaJel)、無機シリカにパラジウムを担持させた固相触媒を合成した。合成した触媒を組み合わせ、インドール類の2段階、さらに4段階連続反応をone-pot(1つの反応容器)で行った結果、シリカ担持型触媒において、各段階の反応が最も効率良く進行し、目的のインドール体が高収率で得られることを見出した。これは同じ反応容器内でも、各段階の反応が固相反応場、液相反応場界面で独立して進行したことに起因すると考えられ、合成したシリカ担持型触媒の有効性が伺えた。以上の知見は、他の連続合成にも適用可能であり新しい多段階連続合成、多段階マイクロリアクター合成システムへの応用が期待される。 |